2016年8月8日

Trailer for disaster

Who paid cash for the cost?


 珍しく、ちょっとだけ真面目な話。似合わないねぇ、私には。

 実は個人的に、意外と前から災害に対して行動を起こしている人々や組織とお話をさせてもらっている。一応私は報道とは言えないものの伝える側にいるので、内部に参加することはやめておいて細かい話をしたり相談をしたりといったことだ。
 これまでにも、東日本大震災などで日本RV協会やNPOキャンパーといった組織などが、他にもキャンピングカーメーカー個々で災害支援を行ってきたのを聞いているし取材もした。
 熊本震災が起こるまでのこの何年間、とあるちょっと面倒な場所などで前出組織のほか日本オートキャンプ協会なども交え意見交換や説明会なども開かれ、今後の展望というか行動目的の説明なども完了していた。ただし、それら計画が実際のパフォーマンスとして実行されることはまだなく、道のりの険しさを身にしみているところである。

 さて、災害対策や支援という点に置いて、どこの誰が何をしようと文句を言う気はない。少なくとも志は同じだろうし、立場によってできることは様々だろう。そもそもそんな事をしているからといって、あたりまえのことだと思われるので自慢できる話でもない。
 ところが最近「トレーラーを利用した日本初!」という見出しの熊本県での取り組みが紹介された。まあその表記は、言われたとおりに調べもせず取り上げた新聞やテレビという報道部門のあり方そのものに疑問を感じはするが、そんなことはこの際どうでもいい。
 疑問に思ったのは、伝え聞こえてくる随意契約による金額である。別にこれまで私が知っているような無償である必要は必ずしもない。有償であっても、それが有効なサービスである場合は問題ないと思う。

ただその金額の大きさが伝え聞くものだとしたら、有償の貸与であるのに販売並みかそれ以上なのはどうして?

 と思ったので、関係ありそうな内閣府という所に失礼ながらメールして聞いてみた。
----------------以下原文ママ--------------
ご意見拝見いたしました。ありがとうございます。
トレーラーハウスの件ですが、県又は市町で契約されておりますので、詳しい内容についてはそちらにお尋ねいただければと思います。
よろしくお願いいたします。

内閣府(防災担当)

--------------ここまで-------------
聞いたのは、端的に何処がどれだけ拠出したかを知る方法を教えてくださいというものだ。

 という訳で、今後更に調べたければ県や市に問い合わせることになるが、そこを突っ込んでいくのは商業雑誌のフリーライターをしている自分の仕事ではないと思う。正義感丸出しの日本のマスコミという人たちがやればいいのだろう。その正義感はかなり偏っているのではないかと個人的には思っているが。

 さて、なんでイライラしているかといえば、金額もそうだが日常での運転事業などの計画が、前出の話し合いなどで行われていたホワイト・タウン・プロジェクトをベースにしているのでは? と思われることが多々あるから。
 まあ、普通に考えれば同様な事業計画になるのは理解できるが、酷似している。実際にはとある業者が主導権を握っている事業展開のようだが、違いは法的にクリアに運用するのが結構大変な車両を使用することを考えていること。この事業者と前出多数団体の作業には全く関連性がない。
 実は相談の段階では、利便性を考え大型の車両導入に走りそうな雰囲気であったのだが、後の日常での運用を考慮すれば、少なくとも道路運送車両法の順守と一般の交通法規に則していることは絶対必要条件だと考えられるため、是が非でもその条件になるよう説得した経緯がある。

 とまあ、疑問点がいっぱいなのである。

 キャンピングカーやトレーラーやらの世界に身を置いて四半世紀。最初は「キャンピングカーって何っ?」とか乗っていると「レントゲン車?」などと呼ばれていた時代を経、子供から大人までその存在は認識してもらえるようになった。それに伴い、自分の身の回りにも携わる人の数も徐々に増えそれによる有名人も排出し始めている。
 それと同時にいろんな販売形態を持つ業者さんもいるし力も着けて来ているので、販路を求めアグレッシブな動きになっているのだろうことも理解できるが、今回の出来事はあんまりだなぁと思うことも多く、事態を知らない県や市レベルが巻き込まれてしまうことを危惧してしまう。